見立ての重要性

カテゴリー │教育・心のケア

久しぶりにまじめに記事を書いてみようかと思い立ち
今日は「見立て」のお話。

 心理や医療の分野では、的確な治療や援助を行うために、クライエントさん(患者様)がどのような状態なのかを正確に見立てることが重要視されています。心理面接、心理検査等を元にアセスメントして考える「全体的な見通し」がそれに当たります。

 見立てた内容によって治療や援助の方針が変わってくるので、見立ては本当に大事な仕事です。

 基礎屋は習い事教室ですが、この見立てをとても大事にしています。

 進学塾で言う入塾試験が基礎屋では入塾面接です。しかし現在の学習のレベルを見るだけでなく、能力の特徴、性格の特性、どのような学習方法が合うのか、今までどうやってきたのか等々を見ていきます。そして、ご希望や必要があれば心理検査や知能検査も導入し、より細かく見立てていきます。また医療機関や学校とも連携を取り、更に情報や指示をいただくことも積極的に行っています。

 では、

Q.なぜ学習塾や習い事教室でも見立てが重要なのか??

 A.それは有効な対応方法は一人一人違うからです。


 まず学習では、能力上の得意と苦手を知り、いかに利用するかで学習効率が変わってきます。逆になぜ苦手なのかの原因を探らずに時間と量だけを掛けた学習を続けることは、苦痛にしかならないこともあります。

 学力不振の中高生の学習定着具合を調べると、小学校低中学年で穴が空いていることに気が付き、更に心理検査では当時何らかの心理的負担があったことを物語るケースを見かけます。簡単ではありませんが、学習の穴を埋め、当時の心の傷に対応することで現在の成績も上がり、能力上の問題ではなかったと分かることがあります。

 それはアートにおいても同様です。「バンバン表現をさせればよい」という訳ではありません。もしかすると過去にできた心の傷を掘り返し蓋を開けてしまうかもしれません。習字では、生まれつき能力的になかなか上手な字を書くことが難しい子に無理な指導をすると、上達に繋がらないどころか自尊心を傷つけてしまうこともあります。

 不登校一つとっても理由や原因や復帰の可否、復帰への方法は皆違います。

 基礎屋には、生きづらさや様々な特徴を持って入ってくる生徒さんもたくさんいます。
 中には気がつかないうちに他の病気を引き起こしているケースもあります。もし対応を間違えると悪化や慢性化、別の病気の発症など更に悪い影響を与えてしまうときもありますし、その後の性格形成にも深く関わってきてしまいます。

 そのため闇雲に指導するのではなく、必要に応じて見立てに基づいた対応も必要なのです。

 ※注意
 「困っていることはない」、「勉強、絵、習字だけを見て欲しい」という方で、こちらも特に必要性を感じない場合は、最初の面接のみで、その後はそのまま進めていきます。全員細かい見立てを立てないといけない訳ではありません。


 ここで一考

 まず何より見立てが正確であることが重要ですね。
 14年やってきても、まだまだ未熟であると心から思っています。基礎屋の仕事も、病院勤務も、学校勤務も、各種研修会もすべて修行の一環です。過去には私が未熟なために救えなかったケースもありました。何もできない自分に辛くなることもあります。
 今後、より正確な見立てとより的確な対応ができるために基礎屋スタッフ一同修行を続けていきます。

 という訳で見立てのお話の締めは「もっと修行します」でした。
 何だか微妙にズレていった感じですが

 ではでは・・。




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