アートセラピーって

カテゴリー │教育・心のケア

先日参加した災害時のこころの支援研修会で、現地のこころのケアチームの方から興味深い話を耳にしました。

震災後間もない時期に、現地の学校や避難所にooカウンセラーやらアートセラピーの団体と名乗る人やらよく分からない人たちが「ボランティアでケアをさせて欲しい」とたくさん押し寄せてきたそうです。そして当時の混乱の中、いくつかは入り込んでしまい、各所で活動してしまったとのこと。

そしてある時、アートセラピー団体と名乗る人たちが避難所の子どもたちに「あの時はどんな様子だった??絵に描ける?」などと活動をし出し、次第に子どもたちのテンションが上がっていって落ち着きがなくなってしまったことがあったそうです。子どもの異変に気が付いた学校の先生から相談を受けた現地のこころのケアチームの臨床心理士がリラクセーションのワークを施し、子どもたちを落ち着けさせたというエピソードを聞きました。過覚醒状態の子どもに軽率な表現を求めれば、それはそうなるでしょうし、夜には、眠れない、おねしょ、悪夢等等もっと影響を及ぼすでしょう。

震災の後にテレビで、ある団体が「アートセラピー」を語って子どもの見立てもなしに描画で表現をさせていた放送や、避難所に「心理カウンセラーお断り」という貼り紙があったという報道を見ましたが、今回、改めて事実なんだなぁとがっくりきました。

アートセラピー、表現療法自体に意味がない、心理士(カウンセラー)自体が必要ないという風に広まってしまいませんように。今も現地ではきちんとした精神科医、看護師、精神保健福祉士、臨床心理士が活躍しています!

心理療法に大事なのは見立てと個々に合った方法の選択です。

そしてアートセラピーって精神医学や心理臨床の専門知識のある人が絡めば、様々な可能性のあるすばらしい心理療法の一つですよ!





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